今、中国で日本のジーンズの人気が高まってきているそうです。
【コラム】中国で人気が高まる日本のデニムメーカー、その理由と課題
中国の都市部に住む若い男性たちの間で、日本のプレミアムデニムブランドが人気を集めているようだ。リサーチ会社のユーロメーターによると、2008年にはわずか176億ドル(約1兆7700億円)だったアジアにおけるデニムの売り上げが、13年には269億ドル(約2兆7100億円)にまで伸びている。このうちの42%を占める、115億ドル(約1兆1600億円)の売り上げを計上した中国は、アジアのデニム市場の急成長を牽引している。中国のデニム市場は巨大だが、トップブランドの「リーバイス(LEVI’S)」「リー(LEE)」「テックスウッド」「ユニクロ(UNIQLO)」「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」が占める市場シェアはわずか12%だ。ここに日本のプレミアムデニムブランドのチャンスがある。
FOCUS | WWD JAPAN.COM より引用
http://www.wwdjapan.com/focus/column/business/2014-11-03/2376
一見すると喜ばしいことですが、一抹の不安も覚えました。
この記事で紹介された日本のプレミアムジーンズブランドとしては、ステュディオ・ダ・ルチザンや桃太郎ジーンズという、我々が大好物とするジーンズ。
これらのブランドのジーンズが、中国で人気に火が付きそう。というんですから「おお、なかなか見る目あるじゃん。中国人!」と、かなり上からな感じだったわけですが、
しかし、ふと、こんな記事を思い出したわけなんです。
「百貨店に「メイドインジャパン」の再生はできない」
国内工場で縫製された製品と言っても、多くの国内工場は中国人研修生を受け入れて作業をお願いしている。確かに「メイドインジャパン」かもしれないが、実態は「メイドバイチャイニーズ」なのである。中国人研修生を受け入れず日本人だけで運営している工場は少数派に属している。それに現在流通している衣料品で、日本国内で縫製されているのは1割くらいしかない。
日経ビジネスオンラインより引用
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20120327/230293/
「メイド・イン・ジャパン、バイ・チャイニーズ」
少なからず、日本のジーンズの生産現場でも中国人が携わっているのではないかと思います。
もし今後、中国で日本のプレミアムジーンズに火が付いたとすれば、いずれ「いっちょ中国発のプレミアムジーンズをつくってみるか!」な中国人があらわれるはず。そんなとき、日本で研修を受けていた中国人は、その技術を中国へ持ちかえり活かすでしょう。
ただでさえ、世界の工場といわれる中国。日本のプレミアムジーンズブランドの中でも中国生産を行った例もいくつかあります。そんなわけで、中国国内でプレミアムジーンズを作ることは難しくないはずです。
そうなったとき、はたして日本のジーンズが太刀打ちできるのか?
技術の流出や価格競争。日本のジーンズが廃れてしまうんじゃないか?
そんな不安にかられてしまいました。
そうならないためには、まず日本で、日本のプレミアムジーンズが認められ人気にならなければいけないんじゃないか。日本人がまず誇らなければ、プレミアムジーンズを創る日本の職人がいなくなってしまいます。
日本で、日本のジーンズがもっと盛り上がればいいなと感じた次第です。
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